【大多摩ウォーキングトレイル①】JR青梅線古里駅を出発し、松の木尾根を行く!

    Introduction

     冬物のコートを仕舞い込んだのも束の間、春を迎え、街に降り注ぐ陽射しに汗ばむ日も増えてきました。筆者が週末も家に引き籠もっている間に都心では桜の花が散り始め、焦りに背中を押されながら、漸く奥多摩の渓谷に春を満喫しに行くことができました。前々からゴールデンウィークに行く登山の計画を立てていた筆者でしたが、日帰りでの旅行計画を練っていたところ、面白そうなトレイルコースが奥多摩にあるのを知りました。

     ”大多摩ウォーキングトレイル”と呼ばれているそのトレイルコースは、松の木尾根・鳩ノ巣渓谷・白丸ダム・数馬峡遊歩道を経て最後はJR奥多摩駅へと至る全長約8.5㎞のトレイルコースで、多摩川の渓谷美を存分に味わうことができるのが魅力とのこと。調べてみるとこの”大多摩ウォーキングトレイル”は、全16コースからなり、その中でもここで紹介するBコース+αの区間が“大多摩ウォーキングトレイル”のメインコースとして認知されているようです。

     実はこの“大多摩ウォーキングトレイル”、記録を辿れば昭和の時代にトレイルコースが設定されていたとか。現在でも、各コースのポイントに当時の名残を見つけることができます。先人達の足跡を辿りながら、後世に残された彼らの歴史に思いを馳せてみる。例えそれだけでも、有意義な時間の過ごし方ができるのではないでしょうか。

     筆者が足を運んだ当日は天候にも恵まれ、行きの電車には多くのハイカーの姿が見られました。軍畑を過ぎた辺りから、電車が駅のホームに着く度にぽつぽつと大きなザックを担いだ人たちがホームへと降りていきます。電車には、同好の士を見送る人たちがまだ大勢乗車していました。殆どの方が、奥多摩駅を目指しているのでしょう。車窓から見える景色も、否応なしに気分を盛り上げます。筆者は、沖融たる時間に後ろ髪を引かれながら3つ手前の古里駅で電車を降りると、数名のハイカーの背中を見ながら一番最後に改札を通り抜けました。

    Guidance

    Access from Shinjuku

     “大多摩ウォーキングトレイル” を歩く場合、JR奥多摩駅あるいはJR古里駅のいずれかがスタート地点になります。どちらも青梅線沿線。新宿から向かう場合でも、2時間で奥多摩の渓谷美に辿り着くことができます‼

    Course

    大多摩ウォーキングトレイル コースマップ

    Image:一般社団法人奥多摩観光協会
    Image:一般社団法人奥多摩観光協会

    ※上記のマップは、一般社団法人奥多摩観光協会ホームページにある”奥多摩地図ダウンロー ド”のページからDLできます‼


    GPSデータ


    Article

    @horned_owl

    JR青梅線古里駅から”大多摩ウォーキングトレイル”のスタートです‼

    #currently

     青空に薄らと雲が漂っているものの晴天に恵まれ、気分良くJR青梅線古里駅のホームに下り立ちます。古里駅の看板に描かれている古里附のイヌグスは、8mを超す太い幹周りをした老木で、東京都指定天然記念物だそう。古里駅から向かう場合、青梅街道を奥多摩方面に15分ほど歩くと辿り着きます。今回のトレイルコースからは少し外れた場所にあるので、訪れるのはまた次の機会にします。

    古里駅から松の木尾根入口
    #currently

     古里駅の改札を抜けると、駅舎の片隅にある登山届け提出ポストが出迎えてくれます。休日の早朝ということもあり、駅舎前には準備をする数名のハイカーの姿しかありません。時刻は7時30分です。筆者もGOPLOの準備を済ませ、足早に駅を後にします。なお、古里駅を出発してからは飲み物や食料の調達が難しくなります。必要な場合は、古里駅にあるセブンイレブンでしっかりと準備を済ませてから出発しましょう。

    青梅街道①

     古里駅の目の前を青梅街道が通っています。新宿から山梨県甲府市まで、東西を横断する道路です。週末でも多くの自動車やバイクが走っています。横断する際には、左右をよく注意し、必ず横断歩道を利用しましょう。


    青梅街道分岐

     奥多摩福音の家を過ぎると、青梅街道から生活道路への分岐が現れます。この分岐を左に入りましょう。寸庭橋までの道中には、釜の水(東京の名湧水57選)や清見滝など、思わず足を止めてしまうスポットが数カ所あります。


    小丹波駐車場観光トイレ

     寸庭橋の手前、進行方向に向かって道路が左に折れる地点には駐車場があります。渓流釣りや観光を楽しむ方々に利用されているようです。駐車場の向かい側には写真にあるトイレが設けられています。この施設の横から坂道を下ると、わさびの栽培過程を紹介している”観光わさび田”があります。


    寸庭橋

     写真にある橋が、寸庭橋です。昭和43年に掛けられた橋ですが、現在でも地元の方々を始め多くの釣り人や登山者が利用しています。河原から見上げると、真っ赤な鉄のアーチが印象的な橋です。


    #currently

    寸庭橋から多摩川を望む

     寸庭橋から見下ろした多摩川の写真です。この辺りは、川の流れもとても穏やかです。渓流釣りの方々がゆったりと釣り糸を垂らすのを眺めていると、思わず時間が経つのを忘れてしまいます。

     寸庭橋を超えると、すぐ右側に松の木尾根入口があります。コンクリートでできた数段の階段を下りていきます。河原に併走して進む山道は足場が整備されておらず、剥き出しになった木の根や山からの湧き水などに足を取られ易い区間です。慌てずに足下に注意を向けながらゆっくり尾根に向かって進んで行きましょう。

    松の木尾根入口から松の木尾根ベンチ
    @horned_owl

    ここからは、いよいよ山道に入ります。安全登山を忘れずに‼

    #currently

     いよいよ登山道の始まりです。暫くの間は、右手に多摩川の景観を眺めながら踏み固められた山肌の道を進みます。上の滝・下の滝がある地点までは、あまり登りを意識することなく歩を進めることができますが、次第に登山道の左側は剥き出しの岩肌に、右側は高さのある崖になります。もし落ちたりすれば命の保証はありません。

    #currently
    #currently

     山の景色を楽しみつつも気を抜かずに先を目指しましょう。登山道が左側に巻き始めると、すぐに寸庭川に架かる小橋が姿を表します。上の滝・下の滝を鑑賞しながら休憩を取り、先の急登に備えましょう。

    #currently

     上の滝・下の滝付近は、寸庭川と越沢の合流地点になっています。写真は、寸庭川に架かる小橋です。写真には写っていませんが、小橋の左側に上の滝、右側には下の滝があります。上の滝・下の滝をカメラに収める場合は、小橋の周辺を移動しながら良い撮影スポットを見つけましょう。

     ”大多摩ウォーキングトレイル”のコースマップに従い、上の滝・下の滝の小橋の次は、ホタル橋を超え松の木尾根ベンチを目指します。ここからホタル橋までの区間、登山道右側の僅かな木々の隙間に越沢を眺めながら進みます。いざ歩き出せば、ホタル橋まで然程時間は掛かりません。

    ホタル橋案内板

     ホタル橋の手前にある案内板。今回の目にしたのは、どれも新しくて奇麗な看板ばかりでした。整備が行き届いた登山道は、安心してハイキングを楽しめます。


    ホタル橋

     越沢に架かる小橋。この近辺は、嘗てはゲンジボタルの生息地だったそう。今では、幼虫の餌になるカワニナもいなくなり、その姿は見られないらしい。残念。

     蛍橋を越えると、斜面の角度は徐々に急になっていきます。序盤は登山道が階段上に整備されているので然程体力を使わずに登ることができますが、ベンチのある休憩地点の手前からは、岩や木の根を乗り越えながら進まねばなりません。


     身体が温まってきた頃、松の木尾根ベンチに到着です。看板の奥にはベンチがふたつ並んでいます。木々の隙間に遠くの山々を眺めながら休憩しましょう。


    其の2に続きます……



    lat / long

     35°48’36.6″N 139°08’07.1″E

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