【修験道の霊山】雨の高尾山〜小仏城山を歩く!

    Introduction

     七月の終わりから八月にかけて猛暑が続き、屋外で運動を楽しむのには過酷な天候が続きました。かともおえば文字通り晴天に水を差すように時折雨雲が空を覆うこともあり、厳しい気温の変化につていけなかった筆者の身体はすっかり夏バテ気味。週末の予定もキャンセルするより他ないと、考えていました。八月の第一週は週の半ばから雨が続き、夜には連続する雷の音に驚いて飛び起きることもありました。そんなある日の通勤途中、筆者は地下鉄の階段出口で雨に打たれていた筆者は空気の地よさに空を見上げました。前を歩く人は傘を差していましたが、筆者は傘を持っていませんでした。ぽつぽつと小さな雨粒が顔を打ち付けます。そんな中、厚い雨雲に覆われている空を見上げながら、ふと「雨の中の登山も良いかもしれないな」という思いが筆者の脳裏を過りました。登山の経験値としても、雨の山道を経験することは大きなプラスになること請け合いです。また、考えてみれば夏バテの身体に運動で鞭を

    入れるのにこれ以上に最適な陽気はなさそうです。かくして今回の雨の高尾山登山は決行される運びとなりました。当初の予定通りキャンプに必要なテントや食料もバックパックに詰め込みます。天気次第で日帰りの山行に切り替えるつもりでしたが、来月に予定いている三泊四日の登山のトレーニングも兼ね、重い荷物を背負います。当日は高尾山に近づくにつれて車窓の景色にも霧が濃くなり、いざ電車を降りると数分で衣類を濡らすほどの雨が降っていました。それにもかかわらずバックパックを背負った登山者の姿がちらほらと。高尾山が如何に東京近辺の登山者に身近で、かつ愛されているかを痛感します。駅前で暫く写真撮影をしていると、辺りの人影は筆者ひとりになっていましたが、今回は時間に余裕のある山行計画です。焦ることもありません。高尾山を訪れるのが初めての筆者は、スマートフォンのナビを頼りに登山口を目指し、高尾登山鉄道の清滝駅へと向かいました。

    Guidance

    〜Access from Shinjuku〜

    #currently
    JJR東日本・京王電 高尾駅

     新宿から高尾山へのアクセスは、JR、京王電鉄ともに直通の電車を利用するのが便利です。JRと京王電鉄は高尾駅で乗り換えが可能なので、どちらを集合場所にした場合にも交通の便が良いです。乗車時間は、JR新宿駅-JR高尾駅間、京王電鉄新宿駅-京王電鉄高尾山口駅間ともに約1時間。

    Course

    高尾山コースマップ

    GPSデータ


    Article

     京王電鉄 高尾山口駅から高尾登山鉄道 清滝駅までの道のり
    #currently
    京王電鉄 高尾山口駅

    高尾山口駅の改札出口。高尾山口駅は、ホームのベンチから駅舎のファサードに至るまで、とても奇麗です。

    #currently
    清滝駅へと続く石畳

    甲州街道から奥の薬王院表参道へと続く奇麗に整備された通りには、土産物屋や食事処が並んでいます。

    #currently
    高尾登山鉄道 清滝駅

    表参道入り口近くには、ケーブルカーの駅が。コース次第で気軽に登山を楽しめるのも高尾山の魅力です。

    コースバリエーションに富んだ高尾山自然研究路‼
    @horned_owl

    幾つもあるコースの中から、今回は稲荷山コースを上り奥高尾を目指します‼

    #currently

     上の地図は高尾ビジターセンター発行の自然研究路マップです。東京都 高尾ビジターセンター 地図ダウンロードページからダウンロードできます。また高尾登山鉄道公式サイト 登山コースマップにある地図も見やすく、高尾山へお出かけの計画を立てる際に便利です。

     さて、高尾山の自然研究路には幾つもの登山コースがあり、初心者から上級者までそれぞれがレベルに応じた登山を楽しめます。これぞ高尾山が多くの登山者に支持される所以ではないでしょうか。今回の登山では、数あるコースの中で尤も登りごたえがあると言われている稲荷山コースを上ります。

     平日・雨・早朝とあって、清滝駅周辺でも見掛ける人影はほぼ皆無です。早朝の冷たい空気が一層美味しく感じます。清滝駅の直ぐ近くには沢を渡るための石橋が姿を現しました。初めての高尾山登山に心も弾みます。それでは、参りましょう!!

    #currently

     京王電鉄高尾山口駅から稲荷山コース登山口までは、徒歩で10分ほど。

    #currently

     雨で登山道は写真のように湿っています。稲荷山コースには、写真のように平らな場所以外にも石や木の根などが剥き出しになった区間があります。滑らないように注意‼

     約1時間ほどで稲荷山の展望スペースに到着です。写真のようにベンチが整備され、晴れの日であれば景色を楽しみながら休憩することも可能。今回は、写真撮影だけして先を目指します。

    #currently
    #currently

     登山コースの端に目を遣るとは、不思議な植物たちが。高尾山では1600もの植物が確認されてるそう。時期さえ合えば、タカオスミレのような高尾山で発見された植物なんかを探しながらハイキングしても楽しそうです。

    #currently

     コースの至る所に休憩できる場所があるため、登山が初めてのひとや家族連れでも安心です。

    #currently

     稲荷山コースの終盤になると、足下は奇麗な木道に。歩いていると、足下からは木の良い匂いが立ち上ってきます。

    #currently

     稲荷山コースを終えると、高尾山山頂へと続く200段の階段が姿を現しました。見上げると、相当な傾斜です。気合いを入れつつもマイペースで上りましょう。

    #currently

     200段の階段を上り終え、山頂の広場に到着しました。早朝のため、売店は開いていませんでしたが、自動販売機で飲料を購入することはできます。あいにくの天気で、登山者の姿は片手で数える程度でしたが、合宿の学生でしょうか、元気な若者の集団で賑わっていました。

    #currently

     高尾山の山頂標識を独り占め。標高は599.15mです。今回はここから奥高尾へと足を伸ばします。

    #currently

     山頂広場の一角に、草木で囲まれた階段が。地図の案内に従って下っていきます。階段を降りた先に古い民家が見えていたので、恐る恐る歩を進めました。

    #currently

     道はどうやら合っているようでした。細い山道を下り、広い休憩スペースに到着です。近くには「ここから奥高尾へ」と書かれた看板が。休憩されている方の迷惑にならないよう、広場を振り返って全景を撮影。

    霧雨に降られた登山道は雰囲気も満点‼いよいよ魅惑の奥高尾へ‼
    @horned_owl

    小仏城山の山頂広場までは、殆ど一本道。雨を満喫しながら進みます‼

    #currently

     この先が奥高尾であることを知らせる看板。雨に打たれながらも、身体の冷えなどは全く感じません。ここまで膝の痛みも全くなし。小仏城山を目指す準備は万端です。

    #currently

     休憩スペースを出て直ぐは、写真のように整備された石の階段が続きます。雨の日は滑らないように注意。

     階段を降りた先の広場に到着です。真ん中に移っている木の左側のコースを進んで行きます。右手は日影林道へと続く道。今回は雨で断念することにした日影沢キャンプ場でのキャンプ。いつかまた来たいと思います。

    #currently

     さて、写真左側のコースを進むと、緩い登りの後直ぐに開けたスペースが姿を現します。地図にはもみじ台とあります。

    #currently

     もみじ台の看板。草木に囲まれて、雰囲気があります。

    #currently

     整備された広い道と休憩スペース。細田屋という茶屋の目の前です。天気が良ければ富士山や丹沢の山々が見渡せたのですが……残念です。

    #currently

     気を取り直して、登山道を先へと進みましょう。雨は…まだ上がりそうにありません。

    #currently

     大垂水への分岐にやってきました。この先から登山道は小仏城山への登りに。

    #currently

     整備された登山道なので、傾斜もそれほど苦になりませんが、やはり地味に疲れます。幻想的な景色を眺めて、気を紛らわせます。

     オオバギボウシの花が雨粒に打たれています。花の季節はもう終盤でしょうか。登山道脇のユリは殆ど花びらが枯れ始めていました。

    #currently

     一丁平を目指して進んでいると、数名の登山者とすれ違いました。また、筆者を追い越していった方も数名。小仏城山方面から高尾山を目指す方と、丁度すれ違う時間帯だったのでしょう。生憎の天気だと言うのに、皆様生き生きとした表情で登山を楽しんでおられました。

    一丁平には沢山のテーブルとベンチ。杉の林に囲まれて遅めの朝食‼
    @horned_owl

    ちょうどお腹が空いてきたので休憩に。生憎の天気のお陰で、自然を独り占め⁉

    #currently

     一丁平に到着しました。小仏城山の山頂までは、あと0.9㎞。時間的には大分余裕があります。

    #currently

     一丁平には奇麗なトイレや水道もあり、休憩するにはもってこいの場所です。筆者もここで遅めの朝食をとることに。

    #currently

     WANDERLUST EQUIPMENTのSTAND COZYに、ジップロック®に入れたカレーメシをIN。お手軽で満足感のある朝食の完成です。

    エネルギーを補給して再出発。小仏城山までは、あと少し
    @horned_owl

    一丁平では、1時間ほど休憩。体力も十分。ここから、ラストスパート‼

    #currently

     一丁平から小仏城山を目指す途中、展望台への分岐があります。生憎の天気ですが、折角なので足を運んでみることに。

    #currently

     一丁平展望台からの眺めは、ご覧の通り。すぐ近くの山が辛うじて見える程度。ほぼ通過するだけで、再び登山道へ。

    #currently

     小仏城山の山頂を目指す途中の登山道は幾らか登りがある程度で、比較的楽に進むことができます。杉林を越えれば、小仏城山の山頂です。

    #currently

     小仏城山の山頂広場に到着です。巨大なかき氷で有名な城山茶屋も、この日は営業していませんでした。

    #currently

     日影林道からの合流地点の傍には、大きな天狗の木像が。さて、本日の目的は達成……ではないんです。筆者には、実はもう一箇所行ってみたい場所が。

    藪を分けて登山道へ。登山地図に記載されている日影乗鞍とは⁉
    @horned_owl

    小仏城山から程なくの地点にある日影乗鞍とは、果たして⁉

    #currently

     小仏城山の山頂から日影林道を目指し、舗装路を下ります。雨は、止んだり降ったりを繰り返しています。この先、舗装路から登山道へと入るのですが、分岐らしいものは見えてこず。

    #currently

     道端にはキキョウの花が咲いていました。思わずしゃがんでカメラを構えます。

    #currently

     日影乗鞍までの道を表示しているアプリによると、この辺りに登山道への分岐があるようなのですが、一向に見当たらず。目を凝らして盛ると、斜面が少し通り道のようになっているような、なっていないような。思い切って斜面を上り、藪の中に突入してみます。

    #currently

     どうやら正解のようです。藪の奥は登山道になっていました。どうやら、殆どひとが通らないと言うこともなさそう。日影乗鞍は、この道の先。進んでみることにしましょう。

    #currently

     登山道は植林帯の中を延びています。鳥の声や藪の音など生命感に満ちていて、思わず辺りを見回してしまいました。

    #currently

     地図によると、この辺りが日影乗鞍。標高621.07m地点です。事前に調べた通り山頂標識などはなく、図根点の標石が杉の根元にあるだけです。展望もなし。予想以上の慎ましやかさ。筆者がなぜ日影乗鞍を目指したのかと言えば、この地点の標高が筆者の誕生日と同じだから。それだけの理由でした。

    日影乗鞍の石標に別れを告げ、日影林道口へ‼
    @horned_owl

    今回の登山も残すところ日影林道への下りのみ‼急な下りです。怪我には注意‼

    #currently

     日影乗鞍から登山道を下ると、途中には鉄塔の密集地帯が。下から見上げると、なんとも迫力があります。

    #currently

     下りの登山道は急で、思っていた以上に時間がかかってしまいました。標高が低くなると、蝉などの昆虫の姿を見掛けるように。ダンスを舞う蝶を追い掛けながら、日影林道を目指して残りの登山道を下ります。

    #currently

     大分降りてきた先にあるベンチ。標高の高い避暑地を思わせる風景です。思わず振り返って眺めてしまいました。

    #currently

     遠くに沢の音が聞こえてきました。この登山コースでは、最後に沢を越えて日影林道に合流します。ゴールは間近です。

    #currently

     澄んだ沢の流れが、疲れを癒やしてくれます。今回はトレッキングシューズで来ていたので、濡れることを気にせず沢に突っ込みます。水が冷たくて気持ち良い。気が付けば、朝から降り続いていた雨は上がっていました。

    高尾山〜小仏城山登山を終えて。
    #currently

     雨天に強行した今回の山行ですが、太陽に晒されながらの登山を考えれば、却って多少の雨は歓迎すべきことなのかもしれないと感じました。しかしながら登山に出掛けて素晴らしい景色を見ることができないのは死活問題ですから、やはりメリットもデメリットも一長一短。どちらが良いかは時と場合によるのでしょう。筆者はこの夏、南アルプスへの挑戦を計画しています。そのときは……やはり晴天に恵まれて欲しいですね。もちろん、熱中症等には十分な注意が必要です。

     今回の記事は以上となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

    登山に持っていきたいおすすめのアイテム

     登山の際には、紙の地図とコンパスの携帯が推奨されています。携帯・スマートフォンは電池が切れた場合、使い物にならなくなってしまいます。万が一の事態に備え、必ずこれらを携帯するようにしましょう。

    ブランド登録なし
    ¥1,210 (2022/07/14 22:08時点 | Yahooショッピング調べ)

    lat / long

     35° 37′ 36.7″N 139° 14′ 39.6″E

    Could you please share?

      コメントを残す

      メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

      CAPTCHA