【本仁田山】奥多摩三大急登、大休場尾根を行く!

    Introduction

     日本には、三大急登と言われる尾根が存在します。谷川岳の西黒尾根、烏帽子岳のブナ立尾根、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根です。山頂に待つ絶景を目指し息を切らせるハイカーの前に、敢然と立ちはだかる急斜面。想像しただけで思わず足取りが重くなります。俗に三大急登として纏められている急登は上記の他にも幾つか存在し、勿論我らが奥多摩にも”奥多摩三大急登”としてサンデーハイカーの足を痛めつけんばかりに山頂へと駆け上る尾根が存在します。

     今回筆者が目指した本仁田山。その頂上へ

    と続く大休場尾根(おおやすんばおね)もそのひとつ。その道程は駅近且つ獲得標高1000mとあって普段の生活でなまってしまった身体をたたき起こす為のトレーニングにはうってつけ。相変わらずの鈍足を少しでも改善すべく、筆者は購入したばかりのr1エア・フルジップ・フーディを羽織り、寒い明け方の奥多摩へと電車を乗り継ぎました。傷の膝は、ここのところその暗い影を潜めたまま。このとき、真新しいフリースに身を包んだ筆者の胸には、根拠のない自信がふつふつと湧き上がっていました。果たして、”奥多摩三大急登”の一角に初めて挑んだ結果は如何に?

    Guidance

    〜Access from Shinjuku〜

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    JR奥多摩駅

     奥多摩駅までは、新宿からJR中央本線でおおよそ2時間。本仁田山へのアクセスは、JR奥多摩駅から。奥多摩駅から日原川沿いを北上し、安寺沢の登山口が入山ポイントを目指しましょう。日原川の清流や小河内線の鉄道橋梁を眺めながら、いざ奥多摩三大急登のスタート地点へ!!

    Course

    本仁田山 コースマップ

    GPSデータ


    Article

    登山口となる安寺沢まで30分のハイキング!!
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    登山口までの道は傾斜も急!! 奥多摩三大急登の一角は、そのまた先‼

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     まだ少しオレンジ色の滲む朝方の空。少し雲が出ているけれど、天気予報は一日晴れ。かの有名な奥多摩工業 氷川工場を右手に臨みながらのスタート!


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     日原川に架かる北氷川橋を進みます。空気が冷たいです。手袋を持ってきてよかった。

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     川沿いの道路から見上げた奥多摩工業 氷川工場。山間に佇む工場。時間は朝の7:00前。この時間は音も無く、ひっそりとした佇まい。

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     道路脇から日原川の流れを見下ろせるようになると、すぐに女夫橋。

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     女夫橋の先、道路は左にカーブします。傾斜のつき始めた道路を進むと、水根貨物線の古い橋梁が視界の先に見えてきます。

     

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     やがて民家の建ち並ぶ区画を越えると、道路の分岐に写真の看板が姿を表します。真っ直ぐに進むと、道路は行き止まりになっているようです。ここは、看板に従って右へ。

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     写真でも分かると思いますが、ここから道路の角度が一層急に。鍋割山の特徴的な山容が目を引きます。

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     写真は20分ほどのウォーキング区間を飛ばし、安寺沢の登山口の様子です。今回の山行を振り返ってみれば、ここまでの道程が一番きつかったように思います。準備というには少し強めの運動でした。


    初めて訪れる人にはスタート直後の山道が一番迷いやすいかも!!
    @horned_owl

    安寺沢の民家横から入山です。道路横を流れる水音が清々しい!!

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     さて、呼吸を整えたら、いよいよ登山スタートです。

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     最初からこの傾斜。事前の調査で、民家の先から山道になることが分かっています。気合いを入れつつ、急斜面に足を踏み出します。

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     自分の山行ペースが平均よりも遅いことを知っているので、看板のタイムは信じません。階段の先は丸太が転がり草の覆い繁る山肌へと繋がっています。

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     見上げるほどの角度で、道が山肌を駆け上がります。奥多摩三大急登の名に恥じない滑り出し。

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     最初の急登が一段落したあたりで、苔を乗せた切り株を発見。

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     木々の切れ間から見える景色。

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     最初の急登を終えると程なくして砂の山肌。階段のようになってはいますが、足元の砂に足元を取られやすいので注意が必要です。

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     砂の山肌の先は、吸い込まれるように針葉樹の森へと繋がっています。

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     木々の中を進む登山道には、歪にくねった木の根が至る所に。

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     登山道の傍らには、丸い模様を湛えた石が至る所に。世間では菊花石と呼ばれるものが存在するようですが、これらもその仲間でしょうか?

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     木々の向こうから太陽が顔を覗かせます。

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     急な山肌を登り、大休場に到着です。ベンチなどはないので、木の根に腰を下ろして休憩。

    登山は思った以上に体力を消費します。休憩はこまめにとり、焦らず自分のペースで進みましょう。

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     体重約60kgの男性が登山を3時間した場合、消費カロリーは約2000kcalにもなるそう。安全登山のために、ぜひ栄養補給にも目を向けるようにしましょう。


    いよいよ大休場場尾根をぬけて山頂へ! 休憩中はしっかりと足を休ませて‼
    @horned_owl

    山頂まではあと1.1km。待ち構えるのは約400mの高低差!!

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     大休場の看板。辺りの斜面には落ち葉が多く積もっていますが、登山道は比較的奇麗。

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     大休場の先の斜面。余り道らしい道はありません。木の根を避けながらマイペースで登ります。



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     登山道を塞ぐように、大きな岩が。

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     林の中を進むと、やがて岩と木の根に囲まれたポイントが。滑って落ちたりしたら大けがに繋がりかねません。慎重に進みます。

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     大岩の脇の狭い道。落ち葉が積もっています。

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     やがて道の様子はまた穏やかに。ここから山頂手前までは同じような様子の道が続きます。

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     急登と平坦な道を何度か繰り返しながら、標高を上げていきます。

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     花折戸尾根の手前。足元にも岩が目立ちます。慎重にもう一踏ん張り!

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     花折戸尾根に到着。ここから本仁田山山頂は、すぐ目と鼻の先。キツいけれど、ここまでとても楽しかった。

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     山頂を目指す道すがら、視界が開けたところで写真をパシャリと。遠くには飯能の街並みが見えています。

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     時刻は、11:00。本仁田山山頂に到着です。看板の奥には小さく富士山が。

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     本仁田山の山頂は狭く、眺望も決して良くはありません。しかしながら、奥多摩三大急登のひとつをクリアした充実感。空の雲を吹き飛ばすほどの清々しさです。



    山頂からの景色を堪能したら、続いて瘤高山へ!!
    @horned_owl

    山頂付近は落ち葉だらけ。足元には要注意です!!

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     本仁田山の山頂を後にした筆者は、瘤高山を経由して鳩ノ巣駅を目指します。一路川苔山の方向へ。

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     辺りの地面は落ち葉の色に染まり、至る所で霜柱が地面を持ち上げています。

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     鳩ノ巣駅までは4.7km。

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     落ち葉に覆われた道を下ります。傾斜プラス落ち葉の足元、思い他大変な行程です。

     標高を下げていくと、次第に道は歩き易く、景色を見ながら進むことができるようになります。

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     中継地点の瘤高山は、登山道がぶつかる地点。山頂という雰囲気では無く、思わず辺りを見回します。

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     看板後ろを振り返ると、樹木に瘤高山の山頂標識が。標高は1116mです。

    鳩ノ巣駅を目指して杉ノ尾根を下る。切り株の石は妖精の仕業?
    @horned_owl

    鳩ノ巣駅まで、まだまだ急な下りが続きます。栄養補給を忘れずに!!

    #currently

     瘤高山から平野を臨みます。雪に覆われていれば一層魅力的な景色ではないでしょうか。

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     瘤高山からの下山道は、山頂直下が急な石の道である以外は、基本的に林の中を進みます。



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     鳩ノ巣駅方面を教える看板。この辺りは開けており、ピクニック気分でお弁当を広げることもできそうです。

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     道が植樹林地帯に入りました。奥多摩地区では良く見る景色。

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     この辺りには、切り株に石を載せる妖精が住んでいるようです。他の方のBlogでも見掛けましたが、筆者も実際に目にすることができました。どうやら切り株に乗せる石の種類は決まっているよう。

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     下山途中、殿上山と書かれた標識を発見。

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     まるで土手のように形作られた登山道。

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     登山道の突き当たりまでやって来ると、眼下に舗装路が。いったん山を下ります。

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     山を下りた先に、小さな祠があります。鳩ノ巣まで下りる道はその先。

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     杉に囲まれた道を黙々と下って行きます。

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     正法院奥の登山口に到着。

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     背後を見回すと、気の早い桜の花が咲いていました。

     さて、今回訪れた奥多摩三大急登のひとつ。実際に足を運んでみると、確かに噂に違わぬ厳しさがありました。しかしながら、急登に顔を顰めるその裏側で、不思議と登り易いと感じる登山コースでありました。若しかすれば、急登を終えた後で筆者のような感想を持つ人は一定数いるのかも知れません。東京近辺で手軽に1000mの登山が楽しめる本仁田山。皆登山後の楽しみも、駅の周囲で沢山あなたを待っています。様も一度足を運んでみては如何でしょうか? 

     今回の記事は以上になります。最後までご覧頂き、ありがとうございました。

    本仁田山登山を終えて。
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     奥多摩三大急登、獲得標高1000m。登山を始めたばかりのサンデーハイカーには少しばかり荷が重いようにも思える本仁田山。けれども、それは自分の現在の力を測るための試金石とも捉えることが出来ます。登頂に成功すれば、その次はタイムの短縮といったように、難敵との対峙は永遠とも言える課題を自身に課してくれます。筆者の山行タイムは、本来自信を持って人様に公表できるものではありません。早い方では、この半分のタイムで登ってしまうのですから。でも、それでいいんです。自分が楽しんでいる限り、課題は永久に無くならないのですから。

    登山に持っていきたいおすすめのアイテム

     登山の際には、紙の地図とコンパスの携帯が推奨されています。携帯・スマートフォンは電池が切れた場合、使い物にならなくなってしまいます。万が一の事態に備え、必ずこれらを携帯するようにしましょう。


    lat / long

     35°49’50.7″N 139°06’10.6″E

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