
Introduction
あまりのアプローチの遠さから「日本最後の秘境」と呼ばれる雲ノ平。標高はおおよそ2600メートルにある黒部川源流部のなだらかな溶岩台地で、周辺の山域は中部山岳国立公園の特別保護地区に指定されています。その周囲は黒部源流が流れる谷を隔てて北アルプスの名峰に囲まれ、火山岩とハイマツそして多様な高山植物が織り成す庭園のような情景は、ハイカーにとっての憧れでもあります。
ふとしたことから、この夏に雲ノ平を目指すことに決めた筆者。春前のまだ肌寒さが残る時期にバスを予約。出発を心待ちにしながら日々過ごします。『何よりも登山を楽しむ』を目標に、体力作りのための筋力トレーニングとジョギング&ウォーキングを始めました。果たして、これらは功を奏するでしょうか? 最後の秘境に広がる絶景や初めて挑む2500m峰の山々は、どのように筆者を出迎えてくれるのでしょう?
今回の記事は、7月下旬に敢行した4泊5日の旅の記録になります。どうぞご覧下さい。
LoCation

目 次
2日目 標高2700mの台地に広がる庭園‼ 憧れの雲ノ平へ!!
雲ノ平までは、500m以上下り、800m近く上り返さなければなりません
標高をぐんぐん下げ、左俣出合へ!
二日目は、北アルプスの最奥部、「最後の秘境」を目指します。アクセスのし辛さは、事前のリサーチで確認済み。当然のように、薄暗いうちから行動を開始します!

太郎平小屋の脇から出発! 延々と延びる木道が、非日常へと誘います。

薬師沢方面と黒部五郎岳方面との分岐。薬師沢方面へ!

黒部五郎岳方面からこの場所に帰ってくるのは、2日後。安全に気を付けて行って参ります。

花が咲き終わったあとのチングルマ。今回の山行では至る所で目にすることができました。

先行者との間隔を開けながら、大自然を独り占め。贅沢な時間です♪

二十分ほど木道を歩き、やがて山腹の急斜面に! ゆっくりと下りていきます。

山腹の斜面を下りたところの、第一渡渉点。中俣を渡ります。

暫くすると、第二渡渉点。再び中俣を渡ります。

ここからはさほどアップダウンもなく、気持ちの良い木道歩き♪

やがて姿を表す、第三渡渉点。こちらが左俣出合。黒部川支流の薬師沢に流れ込む左俣を渡ります。
左俣出合から、さらに100m以上! まだまだ標高を下げながら、薬師沢小屋を目指す!
左俣出合の標高は、2,027m、目指す薬師沢小屋の標高は、1,912m。その標高差は115m。まだまだ下ります。

草原と杉林の景色。余り見慣れない風景が広がります。コバイケイソウや百合などの高山植物も、いたるところで目にすることができます。

左俣出合以降は、登山道の至る所で水が流れ出しています。この辺りの山は、水が豊富なよう。

距離は書いてありませんが、もうすぐ薬師沢小屋のはず。

ところどころの木道が朽ちています。気を付けて進みます。

大きな岩が目立つ下り。この辺りでいくつかのグループとすれ違いました。

薬師沢小屋の屋根。ほぼ予定通りの到着♪

小屋の前に荷物を下ろし、暫し休憩。なにやら補修作業をしていたようで、上空にはブルーシートが。

薬師沢小屋の看板。味のある字体です。

冷たく冷やされた飲み物。お酒を飲まない筆者は、ここでジュースを購入しました。
薬師沢小屋で休憩の後、雲ノ平への直登を上る!
薬師沢小屋の直ぐ脇には、エメラルドグリーンの水を湛える薬師沢が流れています。清流の音に耳を澄ませているだけでも、かなり癒やされる♪
小屋の前に架かっているのが、シンボルマークにもなっている、薬師沢出合吊橋。雲ノ平や高天原へ行くには、この吊橋を渡ります。

綺麗に見えますが、昭和57年竣工だそう。筆者よりもひとつ年上💦

吊橋から見下ろす薬師沢の済んだ流れ。本当に綺麗です。因みに足下の踏板はだいぶ細いので、渡る際は慎重に。

吊橋を渡ると、3m位の高さがある梯子があります。写真は、梯子を伝ったあとに、下から見上げたところ。

河原を行くか、岩の上を行くか。案外薬師沢の流れが近かったので、ここは増水時のルートを辿ることに。

岩を越え、細い梯子を下ります。

薬師沢の水中にカメラを突っ込んで、パシャリ。水深はないですが、水面から川底まで、ただただ綺麗。

薬師沢沿いを歩いていると、直ぐに雲ノ平方面と高天原方面との分岐。今回は、雲ノ平への直登コース。

いきなり、ロング&不安定そうな梯子💦

上り始めから、傾斜はひたすらに急です。

暫く上ると、やがて登山道は倒木と大岩ばかりに。

時間を掛けて、ゆっくりと慎重に進みます。2時間ほどの岩登りも、もうすぐ終わりか?

岩場を上り切り、樹林帯の中へ。この丸太は、足場なのかしら?

漸く木道の西端に辿り着きました。長かった〜💦
庭園の絶景を堪能しながらの木道歩き! 最西端のアラスカ庭園!
漸く、雲ノ平の手前に立ちはだかる直登を上り切った筆者。登山道は、地味に上り勾配を保ったまま樹林帯の中へと続きます。
でも、もう少しで北アルプス最奥の絶景が目の前に広がるはず……

木道を歩き、樹林帯を進みます。

いたる所に設置されている案内板。

たまに開ける景色。遠くの山々には、7月だというのに、白い雪が随分と残っています。

おっ、少し雰囲気が変わってきた?

そうこうしていると、直ぐにアラスカ庭園に到着。空、遠くの山々、庭園の緑、これらのコントラストが美しい。
直登の先、雲ノ平の周辺には、『○○庭園』と名付けられた絶景スポットが点在しています。時間があれば、全部回ってみたかった (・ω・`U)クーン…
次第に開けていく景色! ハイマツと溶岩石が美しい奥日本庭園!
両側に広がる景色を堪能しながら、木道を進みます。
先程の直登で、身体には思いの外ダメージが💦 加えて日差しが出てくると、もう……。

ハイマツ越しに、パシャリ。

やつれた看板。周囲の景色に、妙にマッチしていました。

樹林帯の向こうに、台地が広がっています。目指す先は、だいぶ遠い(笑)

暫くは、写真を撮影したりしながら進みます。

周囲には、筆者と北アルプス最奥の大自然、ただそれだけ。そんな時間が続きます。

やがて奥日本庭園へ到着。ハイマツと溶岩石の織り成す景色を堪能♪
お疲れさま! 2日目の目的地・雲ノ平山荘へ!
奥日本庭園を越えて、木道をえっちらおっちら。
目に飛び込んでくる景色は、ひたすらにデカいスケール感!

目の前の木道は、祖母岳方面へと延びています。けれども実は、傾斜を下った先には雲ノ平山荘への分岐が。
どうしよっかな〜♪

真っ直ぐに行けば、祖母岳とアルプス庭園。ただ、体力は底をついているしと悩む筆者。

二択。

う〜ん。やっぱり、まだ2日目だし、身体を労ったほうが良さそう♪
ここは、雲ノ平山荘を目指すことに。

分岐から約10分ほどで、雲ノ平山荘に到着です。

正面から見た外観。レトロ&モダン♪

山の中では、下界の商品はとても魅力的に見えます(笑)

ロビーの本棚。

食道。カレーをいただいたのですが、写真を撮り忘れてしまいました。とても美味しかったですよ♪

受付をして、テン場へ。

歩いていると「あれ、テン場どこだ?」ってなります。テン場は、向こうに見える小高い丘の先。

遠くには、明日登る予定の祖父岳。手前のテン場には、鮮やかなテントがちらほら。

植生保護のためです。守りましょう!
そんなこんなで、無事に『日本最後の秘境』へと到着した筆者。山荘周辺の景色や空気に癒やされながら、2日目は過ぎて行きます。
明日は、いよいよ稜線歩き。果たしてどんな絶景が、目の前に広がるのでしょうか?
それでは、また明日♪
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。本記事の関連記事はこちら
登山に持っていきたいアイテム


lat / long
36°25’20″N 137°34’30″E

コメントを残す