
Introduction
あまりのアプローチの遠さから「日本最後の秘境」と呼ばれる雲ノ平。標高はおおよそ2600メートルにある黒部川源流部のなだらかな溶岩台地で、周辺の山域は中部山岳国立公園の特別保護地区に指定されています。その周囲は黒部源流が流れる谷を隔てて北アルプスの名峰に囲まれ、火山岩とハイマツそして多様な高山植物が織り成す庭園のような情景は、ハイカーにとっての憧れでもあります。
ふとしたことから、この夏に雲ノ平を目指すことに決めた筆者。春前のまだ肌寒さが残る時期にバスを予約。出発を心待ちにしながら日々過ごします。『何よりも登山を楽しむ』を目標に、体力作りのための筋力トレーニングとジョギング&ウォーキングを始めました。果たして、これらは功を奏するでしょうか? 最後の秘境に広がる絶景や初めて挑む2500m峰の山々は、どのように筆者を出迎えてくれるのでしょう?
今回の記事は、7月下旬に敢行した4泊5日の旅の記録になります。どうぞご覧下さい。
LoCation

目 次
4日目 雄大な圏谷を抱いた黒部の盟主・黒部五郎岳へ!!
黒部五郎岳の巨大カールを間近で眺める。今回の山行の、もうひとつの目的です。
深夜3時に三俣山荘を出発! 黒部五郎小舎を目指す!
おはございます。4日目です。
筆者も早起きですが、周囲のハイカーはもっと早起き。筆者が起きてテントを抜け出した夜中の2時には、既にヘッドライトの明かりが山腹を上っています。
眠たい目を擦りながら、テントを撤収。三俣蓮華岳方面ではなく、巻き道を西へと向かいます。

頼りは、ヘッドライトと薄い星明かりのみ。整備された登山道で助かりました。

巻き道を、2/3も進んだところ。日差しが、辺りの山々を照らし始めます。

周囲は、高山植物が咲き乱れる高原の風景。

可愛らしい、ケルン。

三俣蓮華岳の稜線に合流するポイントが、遠くに見えています。

水場の水は出ていませんでしたが、少し手前の山腹には雪溶水が沢山流れていました。

稜線との合流地点。黒部五郎小舎までは、あと1時間とちょっと。
ここで黒部五郎小舎方面から来たハイカーの方と、暫し歓談♪

黒部五郎岳山頂と、手前に広がるカール。

岩とハイマツだらけの稜線を、歩いて行きます。

案内板。

樹林帯の下に、黒部五郎小舎。ここから、30分くらいでしょうか?

恐らく、黒部五郎小舎を出発したハイカーたち(恐らく10組以上?)とすれ違いながら、黒部五郎小舎に到着です♪

高原にぽつんと佇む小屋。北アルプスだから、余計に画になるのでしょう。

売店。太郎平までのロングコースを乗りきるため、コーラを補充しました♪

木製の水桶で冷却中。
憧れのカールを横切り、黒部黒部五郎岳(中ノ俣岳)の山頂を目指す!
黒部五郎小舎で15分ほど休憩をとり、いよいよ黒部五郎岳へ!
前日にたっぷりと休んだお陰で、なぜかこの日は元気♪

黒部五郎小舎の脇から、登山道が延びています。

始めは、アップダウンを繰り返しながら、土の登山道を進みます。

暫くすると、岩だらけ。

案内は随所にあるので、道迷いの心配はなさそう。

今回の山行では、すっかりおなじみの標識。

黒部五郎岳を目指し、黙々と標高を稼ぎます。

天気の恵まれて、本当に良かった。他所の空よりも、随分と青い空。

樹林帯を抜け、目の前に黒部カール! 感動で、思わず景色に見入ってしまいました。

まるで熱帯魚水槽のような景色。

自然の造形美ですね。どこをとっても美しい。

取り付きまでは案外距離があるので、カールの絶景を十二分に堪能できます。

カールを流れる沢。冷たい水に触れると、疲れが癒されます。

カールには、大岩や奇岩の姿もちらほら。カメラが趣味であれば、ここで一日時間を潰せますね。

ここにも、ケルン。

沢の水面から見上げる岩の山肌。

未だかつて見たこのない、青。

黒部五郎の肩を目指し、急登を上ります。

けっこうな急登ですが、カールに来てテンションが上がっている筆者。疲れをものともせずに、標高を稼ぎます。

残雪を背景に、草原の緑。

急登は、あと少しで終わり。

黒部五郎の肩までは、あと少し。こちらは、このあとに歩く稜線。

ここは岩の上を歩くことになるので、注意。

黒部五郎の肩に到着。けっこう賑わっています。少し休んだら、バックパックをデポして黒部五郎岳の山頂を目指します。

山頂までの登山道は、こんな感じ。

白い岩が、まるでハイマツの大地を流れる川のよう。

黒部五郎岳、踏破! 今回の山行の大目標だっただけに、感動はひとしお。カールや、遠くの黒部五郎小舎なんかを見下ろしながら、暫し黄昏れます。
黒部五郎の肩から中俣乗越を経て赤木岳へ!
筆者が黒部五郎岳の山頂を後にすると、周囲は薄らと雲に包まれ始めました。良いタイミングで山頂を踏むことができたようです。
さて、ここから太郎平までの長い長い下り。頑張っていきましょう!

黒部五郎の肩まで戻り、太郎平方面に下山します。

ちょうどひとの重さで転がってしまいそうな大きさの石ばかり、慎重に下ります。

霧が肌を濡らします。景色は見れませんが、ドピーカンよりは体力の温存ができます。

雷鳥を探しながら、登山道を上り下り。

下り基調とは言え、幾つかあるピーク付近は割と急な上り。

進行方向右手に広がる景色を楽しみながら、順調に進みます。

薬師岳方面の山脈を眺めながら。

道のりの遠さと稜線の美しさとが、疲れた身体に染みてきます。

こういった非日常の風景も、明日で見納め。そう思うと、少し寂しかったり。

池塘と高山植物。

中ノ俣を通過。

笹の間を上って行きます。

薬師岳の周辺だけ青空♪

上り勾配を、黙々と。

黙々と。

赤木岳への、最後の上り。

漸く、赤木岳に到着。黒部五郎岳から、けっこう距離があったような気がします。
標識によると、この辺りは雷鳥の生息数が多いのだとか。ただ、周囲を見回しても雷鳥の姿は見つかりませんでした。
残るピークは2つ! 北ノ俣岳(上ノ岳)から太郎山へ!
黒部五郎岳からの下りも、ちょうど半分。
ここからは登山道の様相も穏やかに。

足下も砂や小石の登山道になりました。疲れた足には、ありがたい。

もくもくとした雲が、稜線に覆い被さっています。

遠くに、ちょこんとしたピーク。

ハイマツの草原が目に止まったので、パシャリ。

下り基調は嬉しいのですが、たまに射す日差しが体力を奪います💦

再び、遠くにピークが。

山頂の様子。雲で眺望はなし。

北ノ俣岳、踏破です! 標高は、2661m。案外、まだ標高は高いようです。

ここからは、最後のピーク・太郎山を目指します!

数十メートで終わってしまう木道。神岡新道との合流地点。

ふいに姿を表すケルン。

チングルマとコイワカガミ。

これまた短い木道。

向こうに太郎平小屋が見えています。

荒れた登山道を下ると、漸く長い木道。

太郎山への分岐。

木道を逸れ、太郎山を踏破です!
この頃には、遠くで雷が鳴っていました。太郎平小屋へと急ぎます。
雲ノ平(ほぼ)周回コースのゴール! 再びの太郎平!
3日間かけて、太郎平〜雲ノ平〜黒部五郎岳を周回してきました。
無事に戻ってこれて良かった♪

漸くチェックポイントの太郎平に戻ってきました。お疲れ様でした。

太郎平に戻ってくると、雲ノ平方面の空に虹が!

珍しいのかどうかは、分かりません。けれども、ゴールをお祝いされている気分になります♪
あとは、明日の下山を残すのみ。最後まで気を抜かずに、折立を目指します。木曜日のこの日、太郎平キャンプ場には初日の倍近い数のテントが設営されていました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。本記事の関連記事はこちら
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lat / long
36°25’20″N 137°34’30″E

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