Course
大多摩ウォーキングトレイル コースマップ
※上記のマップは、一般社団法人奥多摩観光協会ホームページにある”奥多摩地図ダウンロー ド”のページからDLできます‼
GPSデータ
Article
鳩ノ巣渓谷から白丸ダム
【大多摩ウォーキングトレイル③】のスタートです。鳩ノ巣渓谷を青梅街道へと上がり、西へと向かいます。歩行者と車、それぞれの境界を区切るのは白線のみ。通行の際はご注意ください。上の写真は、鳩の巣トンネルです。トンネルの左側を巻くように道路があります。トンネル内を歩いて渡るのは止めましょう。
はとのす莊前の案内板
鳩の巣トンネルを左に逸れると、はとのす莊があります。開放的な大浴場と露天風呂が人気だそう。この案内板の先のスロープから、鳩ノ巣小橋へと向かうことができます。
鳩の巣トンネルを迂回し、青梅街道をさらに西へと進みます。十分としないうちに、渓谷の山間に白丸ダムが見えてきました。絶景に目を向けながら歩いていると、先程までは遠かった景色に近づくのも、あっという間です。
花折トンネルを左に逸れると、白丸ダムです。鳩の巣トンネルからここまで、二十分と掛からない距離です。この日も数名のハイカーの方が、白丸ダムの堰堤を通過して行きました。
花折トンネルから直ぐのところに白丸ダムの展望台があります。かなりの高さから渓谷を見下ろすことができ、ダムの放水時などは迫力満天の景色を見ることができそうです。また、白丸ダムのすぐ傍には”再生可能エネルギーPR館 エコっと白丸”が併設されています。新型コロナウイルスの影響か、この日は閉館していました。
白丸ダムの堰堤から渓谷を撮影した写真です。白丸ダムは、大規模な魚道があることでも有名です。ヤマメ、ニジマス、ヨシノボリ、イワナなど100種類近い魚が魚道を通るそうです。筆者は知らなかったのですが、白丸ダムは螺旋状の階段を下り地下にある魚道を間近で見学できるようなので、訪れた際には是非ダムの内部まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
白丸ダム堰堤を南岸に渡ると、遊歩道に上がるための階段があります。この階段を上がった後、左手にある白丸湖畔遊歩道へと進んで行きます。
白丸ダムから白丸湖畔遊歩道
階段を上っていくと、奥に見えるエメラルドグリーンに目を奪われます。
コンクリートの階段には手摺りが設けられていて、安全に上り下りすることができます。ハイカー以外にも、白丸ダムを訪れる方々への配慮なのでしょう。行き届いた整備も、奥多摩を訪れるハイカーが多いことの一因なのでしょう。
鳩ノ巣渓谷遊歩道との合流地点
階段の先で、鳩ノ巣渓谷遊歩道と白丸湖畔遊歩道が合流しています。写真は、その付近にある案内板。コースの情報や注意書きなどが掲示されています。
白丸湖畔遊歩道へと歩を進めると、直ぐに白丸湖のエメラルドグリーンの湖面が右手に広がります。湖畔の水際に生えた木々の隙間には、時折小さな水音とともに波紋が広がります。目を凝らしましたが、残念ながら魚の姿を写真に収めることはかないませんでした。
遊歩道途中にあるカヌー置き場
この日の白丸湖の湖畔には、カヌーなどのウォーターレジャーに親しんでいる方々の歓声がこだましていました。天気が良い日でしたので、皆存分にレジャーを満喫していたのでしょう。ゆっくりと湖面に佇むカヌーもあれば、先の渓流で荒波に向かっていくカヌーもありました。水泳は苦手な筆者ですが、機会があれば時間を忘れてのんびり湖面を漂ってみたいものです。
白丸湖畔遊歩道を先へと進んでいくと、やがて数馬峡橋が見えてきます。
後ろを振り返り、数馬峡橋橋台脇のフェンスを写真に収めます。白丸湖畔遊歩道が東京都交通局の所有である旨を教える看板が立っています。
白丸湖畔遊歩道から数馬峡遊歩道
数馬峡橋を潜ると、遊歩道の表情が少し変わります。
多摩川の水音から遠ざかると、遊歩道が苔生した雰囲気へと変わっていきます。まるで絵画を切り取ったような景色で、ブログの執筆中も幾度となく写真を見返しました。
遊歩道登り口
遊歩道は、一旦 “森の中のお肉レストラン アースガーデン” へ向かう道路の途中に出ます。道路の向こう側に遊歩道が続いているので、お店の横を通ってさらに先を目指しましょう。
”森の中のお肉レストラン アースガーデン” の横を通り抜け、数馬峡遊歩道をさらに奥へと進んで行きます。日が陰っていることが、一層この周辺の景色を艶っぽく見せている気がします。
数馬峡遊歩道を先に進むと、水が染みだした左手の山肌に群生する苔に目を奪われます。一面に苔を蓄えた山肌は見事と言うより他ありません。足下には、ところどころでミヤマキケマンが黄色い小さな花を咲かせていました。調べても名前のわからない植物も多くあり、幾度となく足を止め、山肌に目を凝らしてしまいます。筆者としては、この周辺がここまで歩いてきたコースの中で最もオススメの区間です。
数馬峡は、植物や花好きが集まるコミュニティ “GreenSnap” でも多くの方が植物の写真を投稿しています。興味のある方は、ぜひそちらも覗いてみてください。
ハイゴケの中で葉を伸ばすカタヒバ。テラリウムやコケリウムが好きな人であれば、この手の植物を思わず食い入って見てしまうのではないでしょうか?
こちらは掌ほどの大きさのタマゴケの群生です。テラリウムファンの間では、1、2を争うほど人気のある苔です。小さく風船のように膨らんだ朔が特徴的です。
苔の無断採取は違法です。 採取するには、管理機関・地権者等の許可が必要です。
岩塊の間に葉を出したオオバギボウシや頭上に咲いたミツバツツジに目を遣りながら進みます。直ぐ近くの渓谷からは流れる水の音とカヌーを楽しむ人たちの声が聞こえてきます。この日は鳥の囀りを耳にすることはありませんでしたが、夏になればこの周辺でオオルリに出会えるそうです。その名が示すとおり、瑠璃色の綺麗な羽色と美しい囀りが特徴の渡り鳥です。
1㎞にも満たない短い区間ですが、好みの景色に囲まれてひとり過ごす時間は格別です。気がつけば、古里駅をスタートして既に3時間近くが経っていました。コースマップにある標準タイムからは大分遅れてのゴールになりそうです。
目の前に階段が現れ、遊歩道の終わりを予感させます。
階段を上りきると、岩塊をくり抜いた数馬西トンネルが姿を表します。短いトンネルを潜り抜けると、近くにはヤマブキが花を咲かせていました。
数馬西トンネルを抜けると、渓谷沿いを延びる数馬峡遊歩道もいよいよ終点です。
民家横を通り抜け、海沢地区にでました。ここから奥多摩駅までは、1.9㎞です。 “大多摩ウォーキングトレイル” も、いよいよ終わりが近づいてきました。暖かな陽射しを浴びながら、周囲ののどかな景色にカメラを向けます。
道の分岐点に実に趣のある看板を見つけ、写真に収めました。新しいような、古いような。こいった小さな魅力に出会えると、なんだか得をしたような気持ちになります。遠出をした甲斐があるというものです。
其の4に続きます……
lat / long
35°48’36.6″N 139°08’07.1″E
通行止めの鳩ノ巣渓谷遊歩道を迂回。青梅街道を西へ向かいます‼