Introduction
言わずと知れた東京都の最高峰・雲取山。七ツ石山や飛龍山などに隣接し、その山頂は東京都・埼玉県・山梨県の1都2県に跨がります。標高2017.1mの山頂を目指し、季節を問わず鴨沢や三峯方面からの登山者が絶えない人気の山です。
筆者が前回雲取山登山に挑戦したのは、2022年のGWのことでした。そのときは七ツ石山に到達した時点での撤退を余儀なくされ、雲取山の山頂を踏むことは叶わず。時間が経つのは早いもので、あっという間にそれから1年が経ってしまいました。
そんなこんなで、迎えた2023年のGWであります。一年前の雪辱を晴らすべく、軽量コ
ンパクトに纏めた装備を傍らに置き電車に揺られます。
ところで、この一年で筆者の部屋に置いてある荷物はだいぶ様変わりしました。部屋の棚には山関連の荷物が溢れかえっています。荷物同様、ハンガーに掛けられた洋服も、アウトドア色の強い、軽量で速乾性のあるもの、通気性に優れるものばかりに。
何かを新しく始めれば、当たり前ですよね、こういう変化。それらは、今まで知らなかった世界へ飛び出す準備。筆者は、生きている間はこういう変化を大事にしたいと考えています。そんな浪費のお陰で、今日も思い出に残る登山に出発できるのですから。
Course
雲取山 コースマップ
GPSデータ
目 次
Reference article
七ッ石山までの道のりは、下記の記事を参考にしてください‼
今回の記事では、ブナダワから雲取山山頂までの登山の様子をお伝えします。入山地点までのアクセスや七ツ石山までの様子は、下記の記事にて紹介しています。拙い文章ではありますが、よろしければ皆様の登山の参考までにご覧ください。
それでは、本編より雲取山登山の様子をお楽しみください。
Article
ブナダワからレポートスタート‼先ずは小雲取山を目指します!!
雲取山を目指して鴨沢登山口から登り始めた筆者。一年前に舐めた苦汁を思い返しながら、普段よりも速いペースで歩を進めます。その甲斐あって、脚の疲労と引き換えにブナダワへは11時前に到着。途中に休憩を挟みながら、3時間と掛からずにここまでやって来ることができました。
さて、今回筆者が目指す雲取山は、言わずと知れた東京都の最高峰。その標高は2017.1m。東京都で唯一標高2000mを越える山です。その山頂は、東京都・埼玉県・山梨県と三都県の境をなしています。
都心からのアクセスの良さも相まって、季節を問わずハイカーに人気の山となっています。
筆者がブナダワに到着した頃には、ちょうど混み合う時間帯だったのか、ハイカーはもとより、トレイルランナーや犬の散歩をしている方など、多くの人が行き交っていました。
前日までの天気予報では午後からは晴れる予報でした。折角見晴らしの良い尾根を歩くので、晴れ間を期待したいところですが、結局雲は下山まで空を覆ったまま。朝方が一番天気が良かったなぁ。
ブナダワの標識。石尾根縦走路は、奥多摩駅近くから雲取山の山頂まで延びる登山道。今回、七ツ石山を巻いてきた筆者は、ここから合流。この先雲取山山頂まで、この縦走路を歩きます。
インターネットや他の方々のBlogで良く目にしていた景色。筆者は、この気色に憧れを抱いていました。いつかは、アルプスの石だらけの稜線を歩きたいものです。
往復20km以上、複数の登山口がある山で、等間隔に人が。雲取山に登っている登山者の多さが良く分かります。おや? 小ピークの向こうに幹の曲がった木が一本見えています。
この尾根を代表するベンチマーク・ダンシングツリーです。この目で直接拝むことができるとは。
足元に土の多い間は少し登っては少し下っての繰り返し。案外、疲れるものです。乗り越えるための秘訣は「おしりの大きな筋肉を使って歩く」です。
遠くから眺めるよりも、ずっと斜度がある登山道。頑張って登ります。
誰が造ったとも知れぬ道端のケルン。雨風にも負けず、バランスを保っているのでしょう。石をひとつ載せておきました。
大菩薩嶺方面を見ると、上空には分厚い雲が。雲の切れ間から射す光に照らされた緑が奇麗です。標高が高いところからでないと見ることができない景色です。
石尾根を進むと、やがて雲取山のヘリポートが。
尾根を挟んで反対側を見ると、嘗て奥多摩小屋があった場所が。今は奇麗に整地されています。
ヘリポートから先へと進むと、ここまでで最も長い急登が待ち受けています。迷わず巻き道を選択。体力温存、大事です。
巻き道。なだらかで身体が休まりますが、この先にも急登が。
この辺りから登山道には大きな石が目立ち始めます。足元に気を付けながら登ります。
漸く長い急登を登り終えました。左の方に標識が見えています。正面に見えている笹に囲まれた丘の上に小雲取山のピークがあります。
振り返って写真をパシャリ。直ぐ下の方に見えている木の位置から、急登加減を窺い知ることができますね。登山道も、向こうが途切れて見えています。
膝丈の笹が茂る間を進み、小雲取山のピークへ。木に掛かった小さな看板があるだけの山頂。
雲取山は目と鼻の先‼赤い屋根の避難小屋が皆の到着を待っています‼
山頂まではあと0.8km。東京都の最高峰まではあと少しです!!
小雲取山を過ぎると、目の前には斜面の上に佇む避難小屋が見えてきます。雲取山荘ではないので間違えないようにしましょう。何にせよ、あそこが雲取山の頂上です。下山するまでが登山とは言え、長い長い戦いの終着点に違いはありません。
雲の中に向かって一直線に延びているのは、ミサカ尾根・天平尾根でしょうか?
ザレた道を山頂直下まで、えっちらおっちらと進みます。
漸く雲取山避難小屋が大きく見えるところまできました。最後の登りも急ですね。ここで、ふと目を登山道の外にやると、そこには鮮やかな青い小鳥が。夏は高所で過ごすルリビタキがもうこの辺りまで上がってきていました。
雲取山避難小屋の前までやってきました。外見はとても奇麗。トイレが設置されているのも有難いですね。
振り返ると、この標高差。歩いてきた道がだいぶ下の方に見えています。
これを拝まずに終われない! 目指すは山頂標識!!
山頂付近は落ち葉だらけ。足元には要注意です!!
避難小屋の前を進むと、東京・埼玉方面の山頂標識へと続く道があります。
少し進むと、山頂が見えてきました。この辺りで昼食を摂っている方もたくさんいて、賑わっていました。
登山開始から休憩込みで6時間。いゃあ、長かった。漸くこの山頂標識に到達です。周りは雲に覆われて眺望はありませんが、山頂に集まった方々の表情が皆にこやかだったのが印象的です。ところで、この山頂標識は、2016年に東京都と埼玉県が統一した標識なんだとか。
こちらは日本百名山の標識。文筆家で登山家だった深田久弥も、この山頂を踏みしめたのです。
山頂標識のすぐ近くにある山座同定盤。天気が良ければ齧り付いて周りの山脈を眺めたかった。楽しみは、また次の機会に。
雲取山の山頂は、2箇所に山頂標識があるんですよ!!
さて、山頂標識から避難小屋まで引き返し、小屋の裏側を回り込むと、そこにはもうひとつの山頂標識が。こちらは、山梨県が設置した山頂標識。山頂が1都2県に跨がる雲取山ならでわです。
さて、鴨沢登山口から雲取山山頂までは、片道10kmを越える長丁場。そろそろ下山しなければなりません。
今回の登山記事は、如何だったでしょうか? 雲取山は標高2000mを超えるだけあって、頂上付近になれば近隣の山々とは少し違った雰囲気を味わうことができます。「次は雲取山荘でテン泊してみたいなぁ」と、筆者は下山直後からひとり考えています。
今回の記事は以上になります。最後までご覧頂きありがとうございました。
雲取山登山を終えて。
筆者には、登山に行く度に思うことがあります。それは、登山ペースが遅いなぁということ。登山をしていると、自分の実力以上の登山ペースを要求するコースに良く出会います。登山計画を立てていれば、誰しもそのような場面が記憶にあることでしょう。筆者も登山ペースを上げるためのトレーニングを始めたり、少しでも軽量な装備を揃えようと、この1年にそれなりの努力をしてきました。今回の登山は、そんな筆者の努力が少しばかり報われる結果でした。1年前の登山記録と比較して、七ツ石山下分岐までの登山ペースが、1時間半も早くなっていたのです。前回が遅すぎたということもありますが……。何にせよ、自信は大切です。実を言えば、今年は登山に行ける回数が激減しそうなのですが、頭の中は次に待つ楽しみのことで一杯なのです。
登山の際には、紙の地図とコンパスの携帯が推奨されています。携帯・スマートフォンは電池が切れた場合、使い物にならなくなってしまいます。万が一の事態に備え、必ずこれらを携帯するようにしましょう。
lat / long
35°51’20.0″N 138°56’38.0″E
七ツ石山を越えた先にある合流点。山頂まではあと3.2km‼