
Random notes
日々、YouTubeなどの動画で目新しいギアを物色している筆者。以前より、この夏は日暈デビューをしてみたいと考え、インターネットで各社のギアを物色していました。そんな筆者が見つけた日暈が、arata『AU-08』。正直、あまり聞き慣れないブランドです。ただ、調べてみるとこのarata、日暈だけではなく、テントやスリーピングギア、そしてストックなど、多くの登山ギアを製作していることが分かりました。今回は、『arataの製品を産み出すバックボーンの最大の特徴は弊社の『技術力』にあります』と宣言する新進気鋭のブランド・arataのものづくりへのこだわりについて、少しだけ紹介しようと思います。
目 次
設計思想とものづくりの経験に裏付けられたブランド『arata』
arataというブランドは、『新たな』と『改める』の二つの言葉に由来します。arataを立ち上げるに際し、社名を株式会社帝伸テックから株式会社Arataへと変更するほどの意気込み。恐らく、ものづくりに対する意気込みや自信には、並々ならぬものがあるのでしょう。

「メイドインジャパン」という言葉は、高品質な製品をイメージさせる言葉として、世界中で通用しています。arataの生み出す「メイドインジャパン」とは、果たして。
事項からは、筆者も購入した登山用晴雨兼用傘『AU-08』を取り上げ、紹介しようと思います。
登山用晴雨兼用傘『AU-08』&『ASU-08』
ファストパッキングに拘るULハイカーに人気の EVERNEWチタンクッカー。 そのなかでも極限まで厚さを減らしたのが「U.L 0.3 Series」。文字通り従来のチタンクッカーで使用されている0.4mmよりさらに薄い、0.3mmの特殊薄板を使用したクッカーたち。U.L 0.3 Seriesは従来製品と比べて約20%の軽量化を実現しています。
折りたたみ晴雨兼用傘『AU-08』を詳しく見てみる
筆者も購入しました。2種類のものがあります。
Technical Spec


arata AU-08 | White | Silver |
Diameter | 88cm | 88cm |
Body Weight | 169g (Starage Bag : 8g) | 142g (Starage Bag : 6g) |
Material | 20D Polyester Ripstop 100% Light-Shielding Coating | 30D Polyester Pongee Silver Corting |
Frame | Carbon Fiber | Carbon Fiber |
Shaft | Aluminum Alloy | Aluminum Alloy |
Storage Length | 37cm | 38cm |
特徴① 直径88cm & 8本骨。
例えば直径88cmの傘は同一形状の直径95cmや98cmの傘と比べて表面積はそれぞれ約14%、19%小さくなるため、風が吹いた時に傘が煽られる力もそれに比例して小さくなります。 これにより風が吹いたときにバランスを崩しにくくなるため傘を支持する筋肉の疲労も低減することが可能です。
88cmとした場合、雨天時にカバーできる面積もその分減少してしまいますが、 登山時となればある程度の雨量となった場合レインウェアを着用するものです。 登山時に使用する傘に求められるのは「雨よりも日射を遮ること」と我々は考え、日傘として使用することを重視しました。 これらを踏まえつつ使用時のバランスと携行性とサイズを検討した結果、直径を88㎝と設定しています。
日傘にはより大きなサイズもありますが直径88㎝というサイズであれば大柄な人でも上半身をしっかり覆うことが可能です。 必要なサイズに留めつつさらに他の部分での使い勝手を追及、バランスよくご使用いただける製品に仕上げました。

AU-08の開発を始めた頃は、より軽量さを重視した5本骨や6本骨もラインナップする計画でした。
我々はそれらサンプルを作成し山岳域に持ち出しテストを行いました。
幸いにも悪天候に恵まれ、予報で風速7m/sという登山時にはごく一般的な風速の中でテストを行うことができたのですが、 その時に感じたのは「5本・6本骨では使用できるシーンが限られてしまう」ということでした。

保持するのが難しくない風速でも容易に反転することが頻繁に発生しました。 この時に私達は大変に煩わしさを感じ、強度の高い8本骨のみを製品化することを決意、 生地やサイズなど様々な部分を見直す必要がありましたが、その結果使いやすい折りたたみ傘が完成しました。
AU-08は傘を支持するのが難しくない範囲の風環境のもとでは骨の反転や破損は起こりません。 外因によるわずらわしさを最低限に抑え、日陰を提供することが可能です。
例えば、同じ折りたたみ晴雨兼用傘だと、のSix Moon Designs の Silver Shadow Mini が直径96cm、mont-bellのサンブロックアンブレラ 55も直径98cmとなっています。なお、mont-bellのトラベル サンブロックアンブレラ 50 はAU-08と同様に直径が88cm。ただ、こちらは重量が130gで三段折りたたみと超軽量超コンパクトな代わりに6本骨となっています。
軽量だけを求めるのであればそれでも良いのですが……。
この点に関するarataのこだわりや考え方は、前述の通り。
特徴② 二段折りたたみ。
敢えてあえて「二段折りたたみ」とすることで耐風性と軽量化を両立。
収納サイズが大きくなるデメリットがありますが、フレームとシャフトの強度を保ちやすく、結果として軽量に仕上げることが可能です。特にシャフトは3段式折りたたみになると、遊びが大きく風が吹いている中で使用すると反応が遅れるために扱いにくさがあります。

またスペースの都合、3段式折りたたみは上段のシャフト直径が小さく肉厚も薄くなるため、軽量なアルミシャフトが採用しにくくなるデメリットもあります。
「強度を高めるために可動部を減らすのは設計の基本」。 arataらしくスペックでわかりやすい収納サイズよりも実際の使用時の使用感や強度を重視しました。
特徴③ 重量 White 169g/Silver 142g。
White、Silverはそれぞれ8本骨ながらも本体重量169g、142gを達成しています。 この軽量さを実現しているのは直径を88cmに抑制していることに加えて「カーボン強化樹脂フレーム」「アルミシャフトの採用」です。軽量さを実現するために高価な素材を惜しみなく使用しています。
特徴④ サイズよりも握りごこち重視のハンドル。
風の強い環境下でも安心して傘をコントロール出来るように収納サイズよりも握りやすさを重視しています。

このハンドル、くるくると回して取り外すこともできるんです。

手の小さい筆者にも、握りやすい。
特徴⑤ 付属品
付属する専用収納袋はハンドルまで覆うことが可能です。 シーム処理はされていませんが、バックパック内を濡らすリスクを軽減しています。

実際に使用してみた
さて、筆者はこの記事を書くにあたり、実際に北アルプスで『AU-08』を使用してきました。ですが、写真を撮り忘れるという失態。従いまして、ここでは文章のみのレポートとなります。
まず使用感ですが、『AU-08』は、ハンドルが取り外せます。持ち運びの際、これがとても便利に感じました。何故なら、手荷物の中に収まるから。バックパックに仕舞い込んでも良いのですが、折りたたみ傘ですから、やはり持ち歩いていたいですよね。ですから、もとより小さい仕舞い寸法がさらに小さくなると言うのは、大変大きなメリットかと。
次に感じたのは、『大きさ』。一般的な98cmではなく、敢えての88cm。これは、笹藪などに挟まれた登山道を歩いてみれば分かりますが、この僅かな差で『傘を仕舞う、仕舞わない』の判断は変わります。煩わしさは、無ければ無いほど良いですものね。ただ、今回は雨での使用機会が無かったので、その点で如何かといった報告ができません。これについては、また機会があれば報告させていただきます。
さて、最後に『AU-08』の日暈としての役割ですが、これについては文句の付けようがありません。日差しが照りつける中、『AU-08』を使用しただけで体表の温度が大分下がりました。山では、扇風機にも劣らぬ涼しさを提供してくれます。他の日暈を使用していないので、比較はできないのですが、ハイカーがこぞって日暈を使用する意味が良く分かりました。
『AU-08』は、登山に限らず、暑い夏のお出掛けを快適にしてくれるギアだと思います。日暈をお探しの方は、ぜひ検討してみてくださいね。
以上、arata『AU-08』の使用感についてでした。

コメントを残す