【表銀座縦走ルート・Day2】中房温泉から上高地へ。高山植物が咲き乱れる夏山を縦走!!

Introduction

北アルプス燕岳の中腹にある中房温泉から合戦尾根を登り、燕岳から槍ヶ岳まで続く13kmの稜線を歩き、槍沢と梓川に沿って上高地まで下山する。総歩行距離が36kmを超えるこのアルペンルートは『表銀座縦走ルート』と呼ばれ、多くの登山者にとっての憧れ。北アルプス三大急登、コマクサの群生と奇岩群、登山者を試す岩稜と日本5位の高峰、そして日本屈指の山岳景勝地など、見どころを上げれば切りがありません。

想像してください——

『北アルプス三大急登』を制し、約1,300mの標高差を登リ切った先に待つ憧れの稜線。

長く山肌を覆っていた残雪が消え、再び冬を迎えるまでの短い夏に咲き乱れる、コマクサに代表される高山植物たち。雷鳥親子の鳴声が、どこからか聞こえてくるかも知れません。燕岳の嫋やかな尾根を背に稜線の先を望めば、その半ばには広い山頂の大天井岳、そして遥か遠くには3,000m峰の槍ヶ岳がその鋭い頂をもって登山者の到着を待ち構えます。東鎌尾根に足を踏み入れた登山者は、その懐の広さにただ閉口し、標高日本第5位の尖峰を見上げるのみかもしれません。

そして下山する先は、穂高連峰が見下ろす日本屈指の山岳景勝地。日本のアルピニズム発祥の地・上高地が、今回の縦走路のゴールです。細長い盆地には水量豊富な梓川が流れ、そこは多くの観光客で賑わっています。そして、最後には隆盛を極めた草花に彩られた穂高連峰の山肌を眺めながら、次回の登山を思い描くのです。

——どうです? 出発前から『表銀座縦走ルート』の魅力が伝わったでしょうか?

それでは『表銀座縦走ルート』偏、スタートです。ぜひ、最後までご覧下さい。

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Article

2日目・コマクサが咲く稜線を歩く。大天井岳を超えて西岳へ!

二日目は、燕山荘からヒュッテ西岳まで。9.2kmの道のりです。

『表銀座縦走ルート』の2日目は、燕山荘から西岳に至る9.2kmの縦走路を歩きます。早朝の燕山荘前には既に大勢のハイカーの姿が。笑い声がこだまする中、筆者も出発の準備に取り掛かります。

早朝、ゴリラ岩に見送られて稜線歩きスタート

方位盤越しに見る早朝の燕岳。

雲が多いようにも思えますが、果たしてどうかなぁ。ゴリラ岩を見上げながら、縦走路へ。

早起きできず、予定よりも1時間遅い出発。

燕山荘〜大下りノ頭

遥か遠くまで見渡せる絶景の縦走路。始めはアップダウンも少なく歩きやすい。

合戦尾根の疲れが残る身体に鞭を打ち、一歩一歩進みます。

燕山荘を出発して30分。見えてきたのは、縦走路を塞ぐ大岩。

たぶん、蛙岩(げえろいわ)。あまりカエルには見えないかも。

薄い雲の中に大天井岳の山頂が見えています。

登山道脇に咲いていたコマクサ。

大天井岳が次第に大きく見え始めました。ふと縦走路の先を見ると、稜線上の広場に数名のハイカー集まっていました。大下りノ頭に到着です。

大下りノ頭〜切通し分岐

登山標識を過ぎると、その名の通り、長い急な下りが姿を表します。

大天井岳はまだまだ先。

チングルマの綿毛。

漸く登り応えのあるスポットが姿を表しました。

お姉さん方が黄色い声を響かせながら登って行きます。

筆者が息を切らせていると、大天井岳方面からソロのお姉さんが。

「あと少しで稜線ですよ。風が気持ちいいですよ」

こういう一言、励みになります。

お姉さんの言うとおり、稜線に出ると気持ちの良い風が汗ばんだ肌を撫でていきます。まさに天然のクーラー。最高!

綺麗な稜線。

小ピーク登り終えると、いよいよ大天井岳まであと少し。

有名な切通し岩を登ります。階段の右には、喜作新道を開削した猟師・小林喜作氏のレリーフ。

長野県南安曇郡西穗高村の猟師であった小林喜作氏が大天井岳から槍ヶ岳に直接至る東鎌尾根に喜作新道を開削したのは、大正時代のこと。

筆者が『表銀座縦走ルート』で槍ヶ岳を目指せるのも、全ては小林氏のお陰です。感謝。

切通し岩を登り切ると、登山道は大天井岳の裾野を巻くようにして先へと続きます。

大天荘の裏手へと続く巻き道(夏道)と大天井ヒュッテ方面へ延びる登山道(冬道)との分岐。

ここが切通し分岐でいいのかな? 切通し分岐であれば、ここが喜作新道のスタート地点。喜作新道は、大天井岳を経由せずに大天井ヒュッテ方面へと続いています。

切通し分岐〜大天井岳

さて、そろそろお腹が減ってきた筆者。大きな石に苦戦しながらも大天井岳の東斜面を登ります。

近いやら遠いやら。

涼しい風が吹き抜けるお陰で、水は殆ど消費せず。

おや? 前方のお姉さんグループが雷鳥を発見した様子。筆者には確認できず。因みに、お姉さんグループも筆者同様に『表銀座縦走ルート』に挑戦中だそう。互いに頑張りましょう。

あの稜線まで登れば小屋に着くのかなぁ。実際は、そこからもう100m先でした。

10時前に大天荘に到着。

大天荘を正面から。食事の提供開始は、もう少しあと。先に大天井岳の山頂に行くことにします。

石にマークが付けてあるので、ルートを見失うことはなさそう。

大天井岳山頂に到着です。標高2922m。

大天井岳は、蝶ヶ岳から続く常念山脈の稜線と、燕岳から続く表銀座コースの出合に聳える山。標高2,922m。常念山脈の最高峰で、運動場のように広い山頂部が特徴。本当の頂上は、北東端に小さく聳える岩峰。

槍ヶ岳へと続く喜作新道が一望できます。明日の今頃には槍ヶ岳に登っているかな。

大天荘に戻って少し早い昼食。うどんとフルーツ缶。とても美味しかったです。

④大天荘〜大天井ヒュッテ

食事と休憩を終え、西岳を目指し出発。

大天井ヒュッテまで30分だそう。実際は、もう少し掛かりました。

空、雲、山肌。燕山荘から時折見掛けてきたコマクサも、この辺りが最後。

結構急な斜面を下ります。滑落には注意が必要。

大天井ヒュッテの赤い屋根が見えました。

分岐に到着。大天井岳分岐から大天井ヒュッテ方面へ延びる登山道(冬道)とここで合流。ここから喜作新道を歩きます。

鞍部に佇む小屋。画になります。

小屋を利用しているハイカーの数はまばら。折角なので、ベンチで少し休んでいきましょう。

大天井ヒュッテ〜西岳

登山道脇の岩に書かれた応援メッセージ。

ひとりまたひとりと西岳方面からハイカーがやってきます。皆さん、槍ヶ岳から東鎌尾根を下ってきたのでしょう。

鬱蒼とした木々を潜って進みます。

急に視界が開け、強い風が身体に吹き付けます。面白い名前の地点・ビックリ平に到着。燕山荘のテン場でとなり同士だったカップル(ご夫婦かも?)と遭遇。

ここからは再びの稜線歩き。

ハクサンシャクナゲ が咲いていました。

時折姿を表す急登。

コバイケイソウの花畑。

赤岩岳に到着。

登山道は、繰り返し小ピークの向こうに姿を消します。

名称不明のピーク。ケルンの向こうにヒュッテ西岳のテン場が見えています。

おっ、ヒュッテ西岳が見えてきました。

燕山荘を出発してから9時間。ヒュッテ西岳に到着です。

筆者がテン場の受付を済ませて休んでいると、息も切れ切れにソロハイカーがやって来ました。聞けば、夜中に中房温泉を出発し、ここまで0泊でやって来たのだとか。すごい根性です。

テントの設営を済ませ、西岳山頂を目指します。思いの外、急登。

ケルン? 常念岳をバックに。

見下ろすと、ヒュッテ西岳とテン場が一望できます。

逆光ですが、槍ヶ岳をバックに。明日に登る東鎌尾根を暫く眺め、テン場に戻ることに。

西岳は、東鎌尾根への入口付近に聳える山。標高2,758m。大天井岳と槍ヶ岳との、ほぼ中間地点にあたる。山頂からは、常念山脈、穂高連峰、槍ヶ岳を眺めることができる。

コバイケイソウ。『表銀座縦走ルート』では、至る所に咲き誇っていました。

テン場から眺める西岳。

明日は『表銀座縦走ルート』の核心部を登ります。『日本のマッターホルン』を登る姿を想像しながら、この日も早めの就寝となりました。

夜中の天の川撮影

夜中にのこのこと起き出して、天の川を撮影。穗高連峰の空に綺麗に見えていました。

天の川は架かっていませんが、槍ヶ岳方面の星空。

どうやら、空は今日も晴れてくれそう。明け方まで、もう一眠りすることにします。

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